ネット上の誹謗中傷の削除を行う際には、その削除申請の内容が公開されるのか否かがたいへん重要になります。削除要請が公開されてしまうと、かえって誹謗中傷が拡散し、傷口が広がってしまう恐れがあります。
2ch.sc(2ちゃんねるエスシー)は、原則として、「削除板」という掲示板のスレッドから削除を受け付けています。ここに削除依頼を投稿すると、「削除人」と呼ばれる人たちが、削除するかどうかを判断し、その結果を書き込みます。
↓2ch.scの削除要請板
http://macaron.2ch.sc/saku2/subback.html
↓2ch.scの削除のやり方
http://macaron.2ch.sc/test/read.cgi/effacer/1414844537/
この過程で、削除依頼が他の人の目にふれてしまう恐れがあります。削除されるまでは1日間か2日間くらいということが多いため、スムーズに削除されれば、問題が起こらないかも知れません。しかし、その間、「archive.is」「archive.fo」のようなWEBサイトの保管庫(アーカイブ)に保管されてしまうと、仮に2ch.scの誹謗中傷の書き込みが削除されたとしても、archive.isには残ってしまうことになります。
ネットの誹謗中傷には、裁判所の仮処分による削除という方法があります。仮処分とは、裁判を経ずに、スピーディーに削除するための方法です。2ちゃんねるや2ch.scの場合、この方法で迅速に削除する人が多いです。
仮処分は、通常は弁護士に依頼して行ってもらいます。しかし、弁護士費用が20万円以上かかるため、その費用がない場合は、ご自分で手続きを進めてみてもいいかも知れません。
なお、仮処分の申し立てにおいては、削除を求める人は、「原告」でなく「債権者」と表現されます。
裁判所の仮処分では、勝つにあたっては、「担保金」を支払う必要があります。担保金とは、仮処分が決定した後に裁判になって、その処分が実際は不当だったと分かったときに、損害賠償に充当するためのお金です。
ネットの誹謗中傷の場合、担保金は30万円~50万円となる場合が多いようです。
2ちゃんねるの掲示板の削除にあたっては、スレッド全体を削除するのが理想です。とはいえ、これはハードルが高いです。
スレッド全体を消すには、スレッドのタイトルや1個目のスレッド(親書き込み)に誹謗中傷(名誉毀損やプライバシー侵害)が含まれていることが必須とされています。